出版社: Hodder & Stoughtoncoffin_dancer
ISBN 0-340-71250-3
390ページ
評点(5点満点)
4half_star


舞台設定
 武器商人のPhilip Hansenは、起訴されていたが、その裁判における証人3人を消してしまう為に、プロの暗殺者、The Coffin Dancerを雇うことにした。その男は、棺桶の前で踊るダンサーの刺青があることだけが知られているので、そう呼ばれているのだった。The Coffin Dancerのターゲットは、Hudson Airというチャーター専門の航空会社の社長(The Wife)、副社長(The Husband)、パイロット(The Friend)だった。
 まず、The Husbandの操縦するフライトが、シカゴ上空で爆破され、この一件が、Lincoln Rhymeのところに持ち込まれる。NYPDとFBIのリクエストは、残る2人の証人を、45時間後の大陪審での証言台にたたせることと、The Coffin Dancerを捕まえることだった。

コメント
 普通のサスペンスものの多くは、手がかりをたどりながら、犯人のあとを追っていくというパターンが多いが。この小説では、犯人を追うLincoln Rhymeと、標的を追うThe Coffin Dancerが、45時間という中で、虚虚実実の攻防をおこなう。物語は、Lincoln側の話と、Coffin Dancerの独白の交互が織りなすように進んでいく。さらに、ジェット機の取扱いもそれなりに手が込んでいて、それも味付けに色を添えている。サスペンスなので、筋はかかないが、やはり、後半は一気に読ませる。2重のドんでんがえしの結末。実は、途中から、読者はNYPDと共に、Jeffery Deaverにはめられるのだが。

結論
   前作、The Bone Collectorと同じか、やや上回るレベル。ジェット機上での爆破計画をめぐってのやりとりが、緊迫感をあげている。


登場人物
Lincoln Rhyme: かつてのNYPDのフォレンジックの専門家。事故により、肢体麻痺になってしまう。今は、シビリアンだが、NYPDのコンサルタントとして、犯罪捜査をおこなっている。
Amelia Sachs: NYPDのCS(Crime Scene)捜査官。レッドヘッドの美人。Lincolnの勧めで、NYPDのパトロールから、PA(Public Affair)ではなく、CSに転ずる。
Lon Sellitto: NYPD殺人課のベテラン刑事。
Jerry Banks: NYPD殺人課の若手刑事。
Percey Clay(The Wife): Hudson Airの創始者で社長。海軍の戦闘機乗りあがり。みずから、会社のチャーター機を飛ばす。The Coffin Dancerの標的。会社の飛行機を爆破されて、経営破綻に瀕している会社を立て直そうと奮闘する。
Ed Carney(The Husband): Hudson Airの創始者で副社長。同じく海軍の戦闘機乗りあがり。Perceyとは夫婦。The Coffin Dancerの爆弾で、シカゴ上空で爆殺される。
Brit Hale(The Friend): Hudson Airのパイロット。The Coffin Dancerの標的。
Ron Talbot: Hudson Airの創始者の一人で、重役。
Fred Dellray: FBI エージェント。カメレオンと異名をとるアンダーカバーの捜査官。
Philip Hansen: 非合法取引も厭わない武器商人。
The Coffin Dancer: その正体がさっぱりわからない暗殺者。10年昔に、Lincolnの部下2名が、Dancerのしかけた爆弾で殉職している。

(2010/11/28 読了)

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