エンジン縦置きKシリーズ及びRシリーズでは、ドライブシャフトのファイナルドライブとの接合部のスプラインの齧りは、よくあるトラブルである。これは、シャフト側のスプラインの山の部分が齧られて、坊主状態になり、最終的には、ドライブシャフトが、空回りする、という。
そこで、縦置きKの世界では、リアタイヤ交換する毎(あるいは2回に1度)に、高濃度のモリブデン・グリスを塗り直せ、という事になっている。
 で、うちのも、去年、リアタイヤ交換したから、遅まきながら、グリスを塗り直す事にした。これを買って半年ほどで、1回塗っているので、約5年ぶりである。だが、距離は、18000kmほどしか進んでない。

 グリスを塗り直すだけなら、手順は、比較的簡単で、特殊なツールも、いらない。

手順
  1. センタースタンドで、車体をたてる。サイド・パネルを左右ともはずす。
  2. リアのナンバープレートがついているどろよけを、まるごと、はずす。止めているのは、ナンバープレートの上の2つの+ボルトをはずし、リアのカーゴスペースにある、2つのナットを緩める。これで、まるごと外せる。
  3. リアブレーキキャリパーを、スイングアームよりはずす。これは、2つのキャップ・ボルトで、とまっている
  4. (あるなら)右側のパニアケース用のステーを、外す。
  5. リア・ホイールをはずす。ホイール・ハブにある4本のスタッド・ボルトをはずすと、ホイールははずれる。
  6. ファイナルドライブ部についている、車速検出用センサーの線をたぐり、コネクタではずす。コネクターは、クーラント・リザーバー・タンクの前より少し上辺りにある。車速センサー自体は、ファイナルドライブからはずさない。
  7. 上記のケーブルを縛っているタイラップを切って、このケーブルを外せるようにする。
  8. スイングアームが、下に垂れ下がらないよう、ひもで吊るか、台を下にあてる。(これをやらないと、スイングアームとトランスミッション接続部にある、ラバーブーツが裂ける可能性がある)
  9. ファイナルドライブにリアサスペンションをとめている、ナットをはずす。それで、リアサスペンションを、ファイナルドライブからはずす。リア・サスペンションの上側は、いじらない。
  10. ファイナルドライブとスイングアームを止めている4本のキャップ・ボルトを抜く。


 これで、ファイナルドライブ部分は、まるごと、車体から、はずせる。

 あとは、古いグリスを拭きとって、新しいグリスを塗り、逆順で、組み立てるだけだ。
 しかし、うちの個体のドライブシャフトのスプラインは、山が、かなり齧られていて状態が良くないように見えた。ちなみに、5年前に塗ったダイゾーニチモリの黄色いクラッチグリースは、あまり残っていなかった模様。チョコレートみたいな油は、あったが。5年前にあけたときも、茶色いチョコレート状のオイルがあっただけであった。BMW純正なら白いグリス、普通の高濃度モリブデングリースなら、黒灰色のグリースが、残っていないといけないんだが。

 そこで、予備部品コレクションの中に、ファイナルドライブとスイングアーム一式が、あったのを思い出して、そちらのドライブシャフトの状態を見て見ることにした。
 予備部品の方は、すごく固くボルトが締まっていたので、はずすのに苦労したが、あけて、出てきたのは、20歯の比較的ましな状態のドライブシャフトだった。


DSC00702齧られたK75Sドライブシャフトのファイナルドライブ側スプライン

PS
 5年前には、スプラインの状態は、ましだった。その時、ダイゾーニチモリのクラッチグリスを塗って、この状態なので、私は、このグリスの使用は推奨しない。




つづく