先週の東京株式市場は、地政学リスクということで、軟調だった。その事自体は、理解できる。だが、外国為替市場は、110円から109円と弱い円高だった。

 
昔は、有事のドル、というのが、相場の格言だったものだが。円が安くならない理由はよくわからない。日本には、シェルターなど、有事の備えは、ほとんど、ないのに。
 今月は、弾道ミサイル実験や核実験が予想されているので、地政学リスクは、まだ、続く見込みだが、出口は、見えていない。
USにとっても、軍事オプションが残っているのは、この3−5年の間だろう。まだ、弾頭の小型化と実戦レベルの射程距離が不足しているだろうから。US西海岸を捉えるICBMが実戦配備になれば、軍事オプションは、自動的になくなる。

 だから、今の状態のままでは、時間は、金正恩のサイドだ。この時間を、金正恩のサイドから、ヒッぺがす方法は、金正恩政権を打倒してしまうしかない。向こうは、絶対、核兵器を手放すことはないんだから。
 つまり、論理的には、残っているのは、

a)経済的圧迫で、金正恩政権を抹殺して、もっと協調的な政権を樹立するか、米中で占領する。暴発する可能性がある。中国、ロシアが経済封鎖に加わる事が必要
b)北朝鮮のICBMが、完成する前に、軍事手段の行使。朝鮮戦争の再開。韓国と日本にも相当な被害。
c)北朝鮮の核武装を事実上、認めて、対立関係は維持。

 bのオプションは、北朝鮮がUS西海岸を捉えないまでである、オプションaは、真珠湾の再来になりかねないし、米露関係は悪いので、強調路線がとれるかは、怪しい。
 c)は、金正恩の読み筋だ。
 この問題は、この3つくらいしか、落とし所はないとおもうし、トランプの大統領の間に、決まる問題だろう。
 ということで、地政学リスクは、当面なくなる見込みがない。